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「とりかえっこ」

昨晩、見知らぬ誰かと、「傘」を交換した。

近所の本屋に入る時、傘を畳み、傘入れに置こうとした時、

「・・・・!」

そこに、僕のと全く同じ形態の、傘がありました。
しっかり丸めてボタンをしてある。

「間違わないように・・・・」と思い、僕のはそのまま丸めずに、置いた。だらん。。
さて、本を2冊購入して、また傘置きに戻る。
と、そこにはちゃんと丸めてある傘が・・・・。

「おぅ・・・・・・・やっぱり、そうきたか」

ここで、考えられる可能性は2つ。

1 同じ傘を持つ「誰か」が、間違って僕のものを持ち去った。

2 「誰か」は間違わずに自分の傘を持ち帰った。その後、店員さんが僕の傘を、親切にまるめた。

周りの傘を見る限り、2の可能性はかぎりなくゼロに近い。

仕方なく、僕は「誰か」の傘を持ち帰った。

全く同じ形態の傘なのに、手に馴染まない。。。
「誰」かは、依然自分の傘だと信じつつ、小雨ふる都会の夜に消えていった。
僕だけ、僕のものじゃないと感じつつ、この傘をさす。

不公平じゃないか! と叫んでも、もう遅い。

交換・・・。
エクスチェンジ・・・。
とりかえばや・・・・。

とりかえっこ、傘。

その時、ふと言い難い不安に襲われた。

いつの間にか、「何かが交換」されている。
傘に、限ったことではないかもしれない。

あなたの「大切なもの」は、本当にあなたのものですか?
もしかしたら、あれも、これも、知らないうちに、交換されているかもしれない。

大都会東京。
きっと今も、誰かと、誰かが、とりかえっこ・・・・。

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いつも読んで頂きありがとうございます。
今回は、「傘」にまつわる都市伝説。「交換」「とりかえっこ」の話、などなど、
みなさまからのお便り・コメントを、心からお待ちしております!

curirin(@)fireworks-film.com ←()を外してお願いします。
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誰かさんの傘・・・

誰かさんの傘・・・

(2009.11.18 栗山宗大)

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